人気のテレビ会議「Zoom」中国通信規制によるアクセス停止とその解除までの対応に見る本質とは?
皆様は「Zoom」というWeb会議のことはご存じでしょうか?
既に世界的にも人気であり、ここ最近では中国と日本の間でテレビ会議をするなら「Zoom」が最も品質が良いと評判でした。筆者自身も利用をしており、Skypeや他の日本製テレビ会議システムに比較して断然良い画質を体感していました。
世界中で人気のテレビ会議「Zoom」が中国・日本間でも高品質に使える理由とは?
しかし、その「Zoom」が2019年秋頃から、いわゆる中国の通信規制によりアクセス停止状態となったのです。
正確には以下のような状況でした。
・中国から日本を含む海外へ「Zoom」で接続しようとすると不可。
・「Zoom」の公式サイトzoom.usへのアクセスが不可。
・ただし、中国国内の「Zoom」同士の接続は問題無し。
・VPNやShadowsocksを利用すれば利用可!つまり「Zoom」側に何か問題が発生したという訳ではない。
GoogleやFacebook等への規制とまったく同じくある日突然に「Zoom」が中国から海外に接続ができなくなったのです。
実際のところ、中国で生活する者からするとこのような規制はいつものこと。GoogleやFacebook等のような規制対象が一つ増えたに過ぎないし、VPNやShadowsocksを利用すれば中国から海外へも接続できるのだから問題無し、という意識でした。
しかしながら、日本の大手システムベンダーも中国に現地法人を持つようなグローバル企業に「Zoom」を推奨していたことから、状況把握と対策に力を入れていたようです。
「Zoom」はアメリカ・シリコンバレー発の企業ですが、創業者は純粋な中国人。
中国国内にも多くの人脈があったはずであり、中国国内で何らかの通信事業の資格を持ち、「Zoom」を中国国内のクラウドで正式に運用していたようです。
当然ながら北京の通信当局にもつながりを持ち、この規制直後から打開策に向けて動きがあったとのこと。
結論として、2019年11月に「Zoom」の中国国内から海外への接続に対する規制は解除されました。
VPNやShadowsocksを利用しなくても、zoom.usにアクセスが可能に、そしてテレビ会議も利用可能となったのです。
ただし、重要なことが一点だけ。
この規制解除後に中国バージョンの「Zoom」を立ち上げると、画面にあるメッセージが表示されました。
それがこちら。
翻訳
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1. 国家網絡安全法の要求に基づき、携帯電話のショートメッセージによる認証と登録機能を新しく追加、登録者の実名制認証機能を追加。
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「国家網絡安全法」とは日本でも中国のサイバーセキュリティ法として有名な法律です。
そして「Zoom」ソフトウェアをアップデート後に会議を開始しようとすると、電話番号による認証を求められます。
中国では携帯電話番号は利用者の実名認証が行われているため、これにより「Zoom」を利用しているユーザを特定するということになります。
利用するユーザが実名認証さえ行えば、規制対象と見なされた「Zoom」も中国国内から海外に対して「正式」に利用することが可能となったということなのかもしれません。
逆に言えば、このような方式で実名制認証が行われていないテレビ会議システムは認められないということなのでしょう。
「Zoom」は今回これに対応することができましたが、他の日本企業やGoogle等の中国とは一線を画す企業では難しいと思われます。
先日の記事でもお伝えしましたが、いくら中国とは言え、外国企業の経済活動を邪魔するようなことはなるべくならば(中国に投資をしてくれる限り?)したくはないというのが実際のところ。
正しく法律を守って経済活動を行えば、中国通信規制の対象となるようなサービスでもそれが許可されるということが本当のところでしょう。
しかしながら、今回のような電話番号認証が「Zoom」に取り入れられたということは、おそらく会議の内容が携帯電話番号に紐づけられて中国国内に保存されている可能性はあるということでしょう。
今後はテレビ会議を利用する際にも、政治的な発言等には注意したほうがよいと考えられます。
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