【徹底解説】中国でVPNを使用することは違法ですか?正式に認められたサービスを利用することをおすすめします
新年度となる2025年4月を迎えて、新しく中国へ赴任される皆様も多いようです。
これらの皆様が気になるのは中国におけるインターネット規制、そしてインターネット規制に対するVPNの利用についてです。
ジョイテルへもVPNやインターネットの利用に関する相談が数多く寄せられます。
それらの相談の中でも多いのが「中国ではVPNを利用することは違法なのでしょうか?」という質問です。
本記事では、海外WiFiレンタル業界唯一!中国専門にサービスを提供するジョイテルが、この中国ではVPNを利用することは違法なのでしょうか?という問いに答えます。
VPNそのものは一般的なネットワーク技術です
中国に関連する日本人の皆様にとっていわゆるVPNと呼ばれるサービスとは、暗号化技術によって中国のインターネット規制の仕組みであるGFW(グレートファイヤウォール)を超えて、日本のLINEやGoogle、インスタ、X等を利用する仕組みであると認識されています。
何となく後ろめたく感じるような気もしますし、事実、中国国内ではVPNはいわゆる敏感語の一つとされてSNS等では規制の対象となる用語です。
※敏感語とは?
中国ではスマホのSNSアプリは政府等による監視対象となります。SNSアプリ上に通知されるキーワードを読み取り、その内容を判断するシステムがあります。
そのシステムが要調査判定とするキーワードを敏感語と言います。
※以前の記事も参考に確認をお願いします。
中国はどこまで規制・監視している?SNSで「VPN」等と入力するのは禁止です
しかしながら、そもそもVPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)と呼ばれる通信に関連する一般的な技術用語です。
簡単に言えば、インターネット上においてデータの安全な伝送を保証するプライベートなトンネルのようなものと考えていただければよいと思います。
この安全な伝送を保証する仕組みであることから、地理的に離れた場所や自宅から会社のネットワークに安全に接続する等の用途に利用されています。

この場合、皆様のパソコンもしくはルーター等のネットワーク機器から本社のネットワーク機器の間で暗号技術を用いてセキュリティの高い疑似的なプライベートネットワークを構築していることになります。
以前のコロナ禍においては、皆様も在宅勤務のために自宅のパソコンから会社のサーバにアクセスして仕事を続けられた方も多くいらっしゃるでしょう。
その仕組みがVPNです。
また、昨今では当たり前の仕組みになりつつあるクラウド上にサーバを構築して様々な場所から安全にアクセスする仕組みも同じです。
クラウド上にVPNゲートウェイと呼ばれる仮想的なシステムがあり、このVPNゲートウェイとパソコン等がVPN接続することにより、セキュリティの高い通信が可能となります。
もちろん中国国内においても同様であり、VPNは一般的なネットワーク技術として活用が行われています。
中国ではVPNは違法ですか?正式なサービスの利用をお願いします
いわゆるこれらのVPNは中国では違法なのでしょうか?
VPN自体は一般的な仕組みではありますが、中国においてはその第三者が侵入できない強固なセキュリティを活かして別の用途に用いられることが多くなりました。
中国から日本のインターネット、LINEやGoogle、インスタ等へアクセスする仕組みとしての用途です。
まず、この中国におけるVPNについて解説するにあたり、以下2つを明確に分けて考えることが重要です。
- VPNを利用すること
- 中国が規制対象とする情報を取得したり発信したりすること
■解説1「VPNを利用すること」 中国ではVPN提供にも許認可があります
中国ではVPNを提供するにも公的な許認可があります。
正式な通信事業経営許認可を得た事業者であれば、VPNや専用回線を通じて中国から海外のネットワークに対して接続を行う仕組みを提供することができます。
日本でも昔は第一種電気通信事業、第二種電気通信事業と通信事業の許認可があり、通信事業への参入には厳しい審査がありました。
中国においては、現在においてもこれらの同様の許認可があるということになります。
日本でも通信回線やインフラ設備そのものを提供する第一種電気通信事業者があります。わかりやすい例で言えばいわゆる携帯電話キャリアのNTTドコモやKDDI、ソフトバンク等です。
そして、これらの通信インフラを活用して様々なサービスを提供する第二種電気通信事業者があります。
中国でも同様に通信インフラを持つ中国電信、中国聯通、中国移動等の通信キャリアがあり、それ以外にも様々な通信サービスを提供する会社があります。
それらの様々なサービスの中にVPNや国際間専用回線、ローミングSIM等が含まれています。
これらの会社は「増値電信業務(付加価値電信業務)経営許可」と呼ばれる許認可を正式に得ています。
日本人の皆様はこれらの正式なサービスを利用することが重要であると言えます。
大手企業であればオフィスに日本中国間専用回線やSD-WAN等を構築して利用したりしています。
お手軽な例としては、ローミングSIMと呼ばれるデータ通信専用SIMを用いて、中国から日本のインターネットを利用することもあるでしょう。
これらは正式なサービスであることから日本人の皆様も安心してご利用いただくことが可能です。
よくある空港で借りられるポケット型WiFiも同じ仕組みです。
中国の正式な許認可を得た通信会社がSIMを発行し、その通信会社と契約した日本企業に対してSIMを提供しています。
この正しく提供されたSIMを利用して中国でもポケット型WiFiが安定的に利用できる仕組みを構築していることになります。
これらの正式なサービスに対し「いわゆるVPN」と呼ばれているサービスのほとんどはそれらの経営許可が無いことがほとんどです。
つまり、中国国内において正式に認可を得たサービスではない場合、それを利用することも違法であると言うことができます。
もちろん中国では正式に認可を得ていないと言うことであり、日本においてそれらの「いわゆるVPN」を主にセキュリティ的な目的で利用することについては何も問題はありません。
あくまで中国においてはそのように判断されると言うことになりますのでご注意ください。
■解説2「規制対象情報の取得や発信」サイバーセキュリティ法等
正式なSIMや国際回線、VPN等を利用することと、中国が規制対象とする情報を取得したり発信したりすることとはまったく別の問題です。
よくある間違いとして「正式な通信サービスを利用しているから、どのような情報でも取得したり発信をしたりすることも問題無い」と考えてしまうことがあります。
情報を得るための手段(通信サービス)が正式なものであるか否かと、情報を取得したり発信したりする行為が正しいか否かは全く別問題であるということが重要です。

正式な通信サービスにより得た情報でもそれが規制対象であるならばそれは違法性が高いということになります。
これが本記事の最も重要なポイントです。
ではどのような情報が規制対象となるのでしょうか?
これはどの法律により規定されていると明確なことを言うことはできません。中国における刑法、民法や最近施行されたサイバーセキュリティ法等によって判断されるものになります。
政府批判や中国国内では公に発表されていない情報等がそれにあたります。
極端な例を言えば、中国から日本のYahoo!にアクセスしてYahoo!ニュースの中国に批判的な記事を読んだりすることも違法であると言うことができます。
日本人の皆様は特にご注意ください。
日本から自分だけがニュースを読むことだけならまだしも、それらの情報を中国のSNS等で拡散することは非常に危険です。
中国においてインターネット利用について違法とされること
中国当局の公式な見解も明らかです。
少し前の発表ですが、外国の記者団等からの質問に対して回答をしています。
※政府当局からの発表について解説について確認をお願いします。
中国の政府当局は通信規制やVPNに対してどのような見解を出しているのか?
要するに許可された通信手段を利用することが重要であると繰り返し回答をしているようです。
また様々な発表の中で以下3つが重要であると繰り返し伝えているようです。
- 有害な情報にアクセスすること・発信すること
- 許可のないネットワークツールを使用、製造、販売すること
- 明確な許可なく海外のネットワークに接続すること
これらの一番上の項目が上記の解説2に相当、下2つが上記の解説1に相当すると考えられます。
中国における関連当局も認めている通り、中国から日本を含む海外への通信には様々な規制が設けられています。
インターネットユーザーを保護する名目でそれらの有害情報にアクセスをさせない仕組みを構築しています。それがいわゆるグレートファイアーウォール(GFW)です。
このグレートファイアーウォール(GFW)により、中国からはGoogle、LINE、インスタ等へのアクセスができないようになっています。
これらのWebサイトやSNSは中国から見ると有害な情報の発信元であると見なされているのでしょう。
【結論】中国に住む日本人はどうすればいいのですか?
中国において正式な許認可を持つ通信事業者が提供するサービスを利用してください。
日本でも発売されているデータ通信SIMや空港等で借りることができるポケット型WiFiはもちろんこの条件にあてはまります。
中国における正式な通信事業者と日本の企業が正式に契約を取り交わし、それらのサービスを日本人の皆様に利用していただけるような仕組みを作っています。
サービス契約時にそれらの事業者に対して中国の通信経営許可証の提示を求めてみてください。
日本の会社自身がその許可証を保有していることはありませんが、提携する中国側の認可について説明をしてくれるはずです。
そして中国滞在中はそれらの正式なサービスを利用しているのか否かに関わらず、情報の取得や発信には注意をしてください。
繰り返しですが、VPN等利用するサービスが違法であるか否かということと規制対象となる情報の取得や発信は全く別問題です。
日本人の皆様がよく利用する海外WiFiレンタル会社やもちろんジョイテルもそのような仕組みでサービスを提供しています。
中国でも正式なサービスを利用していただくことができますのでご安心ください。
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中国大手通信会社が提供する正式国際回線を通じて日本へ接続します。
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まずはジョイテルサポートセンター(support@joytel.jp)へメールもしくはお問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。
※本記事のイラストは「イラストAC」からダウンロードして利用させていただいています 。