中国でVPNを使用することは違法ですか?正式に認められたサービスを利用することをおすすめします
2024年も新年度となり、新しく中国へ赴任される皆様も多いようです。
これらの皆様が気になるのは中国におけるインターネット規制、そしてインターネット規制に対するVPNの利用についてです。
ジョイテルへもVPNやインターネットの利用に関する相談が数多く寄せられます。
本記事では、この中国ではVPNを利用することは違法なのでしょうか?という問いに答えます。
VPN自体は一般的なネットワーク技術です
VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)と呼ばれるネットワークに関連する技術的な専門用語です。
簡単に言えば、インターネット上においてデータの安全な伝送を保証するプライベートなトンネルのようなものと考えていただければよいと思います。
この安全な伝送を保証する仕組みであることから、地理的に離れた場所や自宅から会社のネットワークに安全に接続する等の用途に利用されています。
この場合、別の建物にあるパソコンもしくはルーター等のネットワーク機器から本社のネットワーク機器の間で安全に接続するために暗号技術を用いて、疑似的なプライベートネットワーク、つまり認証されていない第三者が侵入できない経路を構築していることになります。
コロナ禍においては、皆様も在宅勤務のために自宅のパソコンから会社のサーバにアクセスして仕事を続けられた方も多くいらっしゃるでしょう。
この仕組みがVPNです。
また、昨今では当たり前の仕組みになりつつあるクラウド上にサーバを構築して様々な場所からアクセスする仕組みも同じです。パソコンからクラウドに対してVPNに相当する仕組みが用いられています。
もちろん中国国内においても同様であり、VPNは一般的なネットワーク技術として活用が行われています。
中国ではVPNは違法ですか?正式なサービスの利用をお願いします
VPN自体は一般的な仕組みではありますが、中国においては別の用途に用いられることが多くなりました。
中国に住む外国人にとってVPNと呼ばれる技術は、中国から日本を含む海外へのインターネットへアクセスする仕組みとして認識されています。
では、このVPNは中国では違法なのでしょうか?
■インターネットユーザーを保護?それがいわゆるGFWの目的です
中国における関連当局も認めている通り、中国から日本を含む海外への通信には様々な規制が設けられています。
これは日本を含む海外から発信された情報は、中国においては有害であると見なされるものがあります。
(中国においても海外の情報が有害であるとする解釈はその通りであると考えます。日本でも海外から発信される都合の悪い情報はマスコミが意図的に報道していない場合もあるでしょう。日本では全ての情報を自由に得られていると考えるのは幻想です)
中国ではインターネットユーザーを保護する名目でそれらの有害情報にアクセスをさせない仕組みを構築しています。それがいわゆるグレートファイアーウォール(GFW)です。
このグレートファイアーウォール(GFW)により、中国からはGoogle、LINE、インスタ等へのアクセスができないようになっています。
これらのWebサイトやSNSは中国から見ると有害な情報の発信元であると見なされているのでしょう。
■中国ではVPNを提供するにも許認可があります
このグレートファイアーウォール(GFW)はその英語名から「壁」等と呼ばれています。
この壁を技術的に超えようとする仕組みがいわゆるVPNと呼ばれるサービスです。
VPNを使用することと壁を超えることは全く別問題です。
中国では、許可を得なければいかなる企業や個人も日本を含む海外のネットワークに対して接続を行うことはできません。
インターネットへ接続するサービス、インターネットサービスプロバイダーも大手通信会社のみが提供しています。
もちろんそれらの中国の大手通信会社は、中国における通信事業の許認可を得てサービスを提供しています。
大手通信会社以外にも通信サービスを提供する会社は中国当局における許認可を得ています。
VPN通信を提供するためにも許認可があり「増値電信業務(付加価値電信業務)経営許可」と呼ばれています。
様々なVPNのサービスはそれらの経営許可が無いことがほとんどです。
(様々なVPNのサービスでは「壁越え」等と自身の仕組みを説明している場合がありますが、その言葉自体が中国では違法であるとアピールをしているようなものです。それらのサービスを利用する場合には十分に注意した方がよいでしょう)
中国においてインターネット利用について違法とされること
VPN技術そのものは違法ではありません。
中国でも物理的に離れた場所のサーバやクラウドにアクセスするための仕組みとして確立されています。
中国においてインターネット等の利用について違法とされることは以下3つです。
- 有害な情報にアクセスすること・発信すること
- 許可のないネットワークツールを使用、製造、販売すること
- 明確な許可なく海外のネットワークに接続すること
■有害な情報にアクセスすること・発信すること
「有害な情報にアクセスすること・発信すること」
これは中国における最も重要で違法性の高い行為です。許可された回線やインターネットを通じて得た海外の情報でも、それが有害であると認識されれば違法となります。
日本人の皆様は特にご注意ください。
日本から得たニュースを中国のSNS等で拡散することは非常に危険です。
■許可のないネットワークツールを使用、製造、販売すること
一般的なVPNに関連するアプリやサービスは、これらの中国における許可が無い場合がほとんどです。
特にそれらのアプリやサービスを製造したり、販売したりする行為は刑事罰を伴う犯罪となる可能性があります。
■明確な許可なく海外のネットワークに接続すること
中国における明確な許可なく海外のネットワークに接続することは違法です。
この「明確な許可」が重要です。
一般的なVPNは、これらの中国における許可が無い場合がほとんどです。
これに対し、許可を得て海外のネットワークに接続する仕組みはもちろん数多くあります。
昔ながらの国際専用線や最近では数多くのグローバル企業等が採用するSD-WAN、日本の携帯電話会社や海外WiFiレンタル会社が利用するによる国際ローミング回線等です。
中国において当局から許可を得た通信会社がこれらの国際回線を提供しています。
日本でも昔は第一種電気通信事業、第二種電気通信事業と通信事業の許認可があり、通信事業への参入には厳しい審査がありました。
中国においては、現在においてもこれらの同様の許認可があるということになります。
これが上述の「増値電信業務(付加価値電信業務)経営許可」です。
一般的には日系企業は、中国においてはそれらの通信事業の許認可を取得することはできません。
このため、中国に関連する通信サービスを提供する日系企業は、中国において許認可を持つ通信会社と提携(単純に通信容量の仕入れも含む)していることがほとんどです。
上述の通り、日本人の皆様がよく利用する海外WiFiレンタル会社やもちろんジョイテルもそのような仕組みでサービスを提供しています。
中国でも正式なサービスを利用していただくことができますのでご安心ください。
中国でも安心して日本のインターネットを利用するなら?
ジョイテル「中国どこでもWiFi」なら安心、快適、簡単に日本のインターネットを利用することができます。
中国大手通信会社が提供する正式国際回線を通じて日本へ接続します。
ご自宅が日本とほぼ同じインターネット環境になります「中国どこでもWiFiホームプラン」
ポケット型WiFiルーターを受け取り中国へ安心して渡航できます「中国どこでもWiFiレンタルプラン」
まずはジョイテルサポートセンター(support@joytel.jp)へメールもしくはお問い合わせフォームからご連絡をお願いいたします。
※本記事のイラストは「イラストAC」からダウンロードして利用させていただいています 。