中国WiFi「特別回線」「プレミアム回線」とは?VPNとの違いを解説!中国からインターネットを安定利用する仕組み
中国渡航者向けWiFiサービスには「特別回線」や「プレミアム回線」等と呼ばれるサービスがあります。
いずれも中国から日本のLINEやGoogle、インスタ等中国ではインターネット規制対象となるサービスでも安定的に利用することができるようになる仕組みです。
本記事では、この「特別回線」や「プレミアム回線」がどのような仕組みで、中国からでも安定的に日本のインターネットが利用可能となるかについて解説をします。
同じように中国から日本のインターネットを利用する仕組みとしてVPNと呼ばれるサービスがありますが、これらとの違いについても解説します。
中国WiFi「特別回線」「プレミアム回線」とは?
■まずはインターネットの仕組みと中国の規制について簡単解説
一般的にユーザーのパソコンやスマホから接続先のWebサイトやアプリまでの接続は、特定の決められた経路ではなく任意のインターネット回線上を通ります。
ご自宅のWiFiからパソコンで接続する場合は、
「ご自宅→インターネットサービスプロバイダー(ISP)→インターネット回線→接続先のWebサイト」
のようになります。
スマホからの場合は、上記のインターネットサービスプロバイダー(ISP)が、携帯キャリア(ドコモとかau、ソフトバンク等)に置き換わると考えてください。
この接続経路となるインターネット回線は、実際の物理的にどの回線が利用されるのかはわからないのです。
例えば、東京のユーザーが大阪にあるWebサーバにアクセスする場合、東海道沿いの回線を通っていくのか、中山道(リニアモーターカーの経路?)の回線を通っていくのか、はたまた海中のケーブルを通っていくのかはわからないことになります。
中国等海外から日本のWebサイトやアプリまでの接続もある程度は同じです。
ただし、中国から日本へのインターネットの接続の場合、幾つかある海底ケーブルのうちのいずれかを通ることになります。
中国のある都市から上海、もしくは青島、深圳経由で香港等の特定の海底ケーブル寄港地から日本へのインターネットに接続されます。
以前は、この中国・日本間の海底ケーブルはかなり脆弱で帯域も小さく、中国から日本へのインターネット速度低下や不安定の主原因となっていました。
もちろん現在では、この中国・日本間の海底ケーブルも多数増設が行われ、利用できる帯域は十分な容量となっています。
しかしながら、現在でも中国から日本へのインターネットは不安定のままです。
それがいわゆる中国におけるインターネット規制です。
上記の通り、中国から海外へのインターネットはある特定の場所にその通信が集約されます。その場所にインターネット規制のための監視用ネットワーク機器が設置されています。それがいわゆるグレートファイアーウォール(GFW)と呼ばれています。
この監視機器により、特定のWebサイト、例えばLINEやGoogle、インスタ等の利用ができなくなったり、特定の通信、例えばVPN等の暗号化通信が遮断されたり、速度が著しくなったりする現象が発生します。
■「特別回線」「プレミアム回線」の仕組みとは?
この監視機器に対して正式に許可を得て、規制無しに通信を行うことができる仕組みがあります。
それがいわゆる「特別回線」「プレミアム回線」と呼ばれる国際回線です。
日本人向けにWiFiサービスを提供する会社が、中国の正式な通信事業許認可を持つ通信会社と契約をして、中国から日本を含む海外に対して規制無しに通信を行うことができる国際回線を利用します。
ユーザーが持つWiFiルーターは、一般的なインターネット回線ではなく、この国際回線を必ず通じて日本のインターネットへ接続する機能を持っています。
これにより、中国からでも安定的に日本のインターネットが利用できる仕組みです。
日本でもドコモやau、ソフトバンク等の携帯電話会社が国際ローミングサービスと称して中国から日本のインターネットが利用できる仕組みを提供しています。
日本の携帯電話会社は、現地の通信会社と提携して利用契約をした国際回線を通じてインターネットの接続を行うサービスを提供します。
この国際ローミングサービスもここで言う「特別回線」「プレミアム回線」と同等のサービスと言えます。
VPNとの違いは?
VPNとはあくまで暗号化機能のことであり、特定の回線を利用する仕組みではありません。
「Virtual Private Network」の名の通り、拠点間、例えば物理的に離れたオフィス間をインターネットとその暗号化により安全に接続してローカルネットワーク(Private Network)を構築するための技術です。
このVPNの特徴は、その通信経路上のネットワーク機器から見るとそれがVPN通信であることがすぐにわかってしまうこと。
暗号化通信であるため、その通信内容が漏洩するということはありませんが、その通信がVPNであることは簡単に識別することができます。
そしてこのVPN通信がすぐに特定されやすいという特徴により、中国のインターネット規制によりすぐに遮断されてしまうということになります。
VPN通信も正式な中国の通信事業許可証を持つ中国通信会社により提供されたものがあります。
しかしながら日本企業がそのような許可証を得ることはできないのも実情です。
このため、いわゆる日本のLINEやGoogle等を見るためのVPNサービスと、企業ユースで中国と日本のオフィス間のローカルネットワーク接続のためのVPNは区別されず、中国側の規制が強化されればほぼ全てのVPNが利用できなくなるという現象が生じます。
また、グレートファイアーウォールのことを壁と呼び、VPNの通信は壁超え等と言います。つまり無断でその壁を越えようとするイメージです。場合によっては警備する人(ネットワーク監視機器)に撃ち殺されて(遮断されて)しまいます。
これに対し、「特別回線」「プレミアム回線」は、その壁にある正式な門を許可証を見せることによって通るイメージです。
正式な許可証を持っていればとがめられることはありませんが、その許可証を得るために若干のお金がかかるということになります。
サービスの説明で壁超え等と表記されている場合は、それはそのサービスが違法であることを自ら言っているようなものです。
大手のWiFiレンタルサービス業者は特別回線、プレミアム回線とだけ表記し、壁超え等とは言いません。これだけでも皆様が選ぶサービスがコンプライアンス上許されるものなのかどうかがわかります
ジョイテル「中国どこでもWiFi」「SIM」も正式国際回線を利用
ジョイテルは、中国大手通信会社との提携により、正式な中国・日本間国際回線を通じて中国から日本のインターネットを安心・快適・簡単に利用できるサービス「中国どこでもWiFi」「SIM」を提供しています。
この正式な中国・日本間国際回線がいわゆる「特別回線」「プレミアム回線」に相当します。
「特別回線」「プレミアム回線」を安心・快適・簡単に利用できるジョイテル「中国どこでもWiFi」のご検討をお願いします。
お問い合わせは、ジョイテルWebサイトお問い合わせフォームもしくはジョイテルサポートセンター(support@joytel.jp)へご連絡をお願いいたします。
※本記事のイラストは「イラストAC」からダウンロードして利用させていただいています 。